続・大家に家(明日香村)を追い出されました。〜田舎の闇?〜
退去騒動は続く…
昨年のエントリにて、大家から一方的に退去を求められこと、それに伴う費用で揉めたこと、空き家バンク制度(自治体)に対して感じたこと、それらをザザッと書きました。
記事にもあるように、実はこの問題はまだ終わってはおりません。ですので、当エントリでは、騒動の続きをつらつらと書いていこうと思います。
なぜこの記事を書くのか
「田舎に住むとこういうこともある」ということを共有したい、というのが理由です。 昨年のエントリでも書きましたが、最近田舎への移住というものが流行っています。それ自体は良いことだと思いますが、移住自体について調べてみても、特集されているのは移住が成功している人ばかりです。 失敗談みたいなものも、検索すれば出てきますが、今ひとつ具体性に欠けるものが多いです。(成功例はその人間自身にフォーカスされているが、失敗例は噂話みたいなものの寄せ集めになっている。…当たり前か。)
今回の件で、私は本当に精神が削り取られましたが、せめて今回起こった出来事と、その時私が思ったことを書いておくことで、田舎への移住を考えている人の参考に少しでもなればと思っています。 (決して、移住を止めるつもりはありません。私は都会の一極集中には反対です。)
続・事の顛末
前回までのあらすじ
※前回エントリから転記
・ 11月頃、「賃貸の更新をしません」という一方的な手紙がポストに投函されていた
・内容があまりに一方的すぎたため、不動産会社に電話
・不動産会社から「契約書的に問題ないから引っ越しの準備してください」と言われる
・我々夫婦「それはおかしくねーか?」ということで、法律とかを調べてみると、貸主は借主を一方的に退去させることはできないことを知る
・不動産会社と村役場に「引越にかかる全費用を大家が負担するなら引越します」と相談
・不動産会社と村役場、大家と交渉するも、案の定揉める
・我々夫婦も含めて、めちゃくちゃ揉める
・何とか、大家が負担することで落ち着く(本当に支払ってもらうまで油断禁物状態)
今回のあらすじ
- 大家が引越費用を負担することで落ち着いた
- 我々夫婦、急ピッチで物件を探す
- 次物件に入居する際の初期費用の明細を大家に渡す
- 大家、支払を拒否
- また揉める
- 大家、支払を渋々承諾する。(領収書の提出を求める)
- 大家、領収書の内容に対して不服の意を表す。
- さらに大家、退去に係る清掃について業者を使えとの要望を出す
- 色々揉めつつ引越当日を迎える
- 我々夫婦、知人達にも手伝ってもらいつつ清掃を完了する
- 清掃後の大家確認について、後日に見送り。
- 清掃後の確認について、大家、役場、不動産、我々夫婦で日程調整中
長いね…
やっぱりちゃぶ台を返してきた(支払いを拒否してきた)大家
前回のエントリ、最後の方で「大家が支払をすることで落ち着く」と書きましたが、いざ費用の明細を見せると、さっそく支払いを拒否してきました。 役場の方曰く「初期費用の額が想像以上だったため、気持ちに変化が生じたのでは」との事です。勘弁してくれ…。
しかし、我々が引っ越すのはごく普通のアパートです。入居に必要な初期費用も至って普通の金額でした。では大家はなぜ支払いを拒否したのか? 話を聞いていると、だんだん理由についてはっきりしてきました。
大家が支払いを拒否する理由
- 大家の想定している「引越にかかる総費用」=「引越業者に支払う費用のみ」だった。
- つまり、賃貸に入居する際に費用が発生することを知らなかった
そうです。明日香村だけで生活、引越なんてしたことがない…ましてや賃貸物件なんて入ったことがない大家。引越業者以外にお金を払う必要があるなんて知らないのです。
ちなみに、事前に「引越しの総費用ってのは、賃貸の初期費用も込」ということは伝えております。知識が全くなかったため、この話は右から左へ抜けていっていたのでしょう。
初期費用の明細にも文句
賃貸の仲介業者からもらった明細に対しても、無知故の仰天ツッコミがたくさんはいります。
- 「火災保険料」って何?なぜ私があなた方の保険を払わないといけないの?
- 「仲介手数料」って何?なぜ仲介業者がいるの?っていうか仲介業者って何?
- 「ハウスクリーニング代?」なぜあなた達の家のクリーニングを私が払わないといけないの?
日本の賃貸における初期費用の是非について、ここで議論するつもりはありません。 私だって「なんでハウスクリーニング代でこんなにとるんだよ」とか「本当にそんな掃除してんのかよ」とか思います。
しかし、今回の一件は以下の大前提があります。
- 大家から退去してほしいという要望があり、
- 我々は「引越の費用全てを負担するなら退去する」という条件を提示し、
- 大家は(揉めましたが)それに合意した
合意しておいて、「思った金額と違うから払いたくない!」などと言うのはいかがなものでしょうか。 もちろん役場不動産含めて散々揉めて、その後渋々了承しましたとさ…。
参考
領収書への不満
今度こそ支払いを合意した大家ですが、代わりに領収書をくれと言われました。 これに関しては別にどうとも思わず「はいわかりました」と承諾し、後日仲介業者と物件業者から領収書を発行してもらい、大家に渡しました。 すると、「内容がおかしい!」とのクレームが入ってきました。はあ…。
クレームの内容は「書いてある金額が、支払った金額と違うから使えない」というものです。(何に使うのかは知りませんが…)
はい、違います。 「支払った金額と領収書に書かれる金額は、先方の都合により合わなくなるが、それでもよいか?」ということは事前に説明し大家の了承を得ています。 要するに「人の話をきいてない」のですね。(了承を得た際の録音もとっています。)
領収書の金額と実際の支払い金額が異なる理由
会社の都合といってしまえばそれまでなのですが、理由は以下の通りです。
- 今回の初期費用には数カ月分の「前家賃」が含まれている。(要するに家賃の先払い)
- 初期費用とはいえ、家賃は我々が払うべきものなので、これは大家の支払い分には含んでいない。
- 会社の都合で領収書は「前家賃を含めた、本来の総費用分」の額面でしか出せない
- 支払いを我々と大家で分けているのはこちらの都合なので、会社としてその都合に合わせることはできないとの事
「領収書くらい都合よく作ってくれよ」と思わなくもないですが、まあ会社の決まりということなのでしょうがありません。
この話は事前にちゃんと大家に説明し、了承を得たのですが、領収書を渡した次の日に「領収書の額面が違うんだけど」という電話がきましたとさ…。
※ちなみに納得いかない大家は、その会社に直接問い合わせて、何とか領収書を出してもらったとか何とか…。お疲れ様です…。
退去後の清掃に業者を使えという命令(要望)
大家と揉めている中で、大家は退去後の清掃についても言及してきました。 私も清掃には頭を抱えておりました。なぜなら、大家がこの調子だと、清掃に関してもあーだこーだ言ってくると思ってたからです。しかし、大家の清掃に対する要望は斜め上を言っていた…!
「清掃業者を使え」
なんと賃貸物件の退去後の清掃について、プロの業者を雇えという要望。もちろんそんなお金はありませんし、業者を使う義務もありませんので、断りました。(揉めました) そもそも、なんでこんなことを言い出したのでしょうか。実は大家のトンデモロジックが、ここでも働いていたのです。
私はあなた達の入居物件のハウスクリーニング代を払ってあげている
これが大家の理由です。
上記にあるように、我々は賃貸の初期費用明細を大家に渡していますが、そこの「ハウスクリーニング代」に引っかかったみたいです。「ハウスクリーニング代」ってことは業者だろ、代わりに払ってやってるのだから、うちの家も業者使ってキレイにしろ、という言い分です。
大家が退去してほしいというから、こちらは条件をつけて交渉したわけですが、いつの間にやら「こいつらの引越しにかかるお金を払ってあげている」という考えになっているみたいです。脳内立場が被害者なのです。どちらかというと、被害者は、いきなり退去しろって手紙を送られた我々だと思うのですが…。
もう一ついうと、このハウスクリーニング代は「入居者」が払うものです。この明日香村の家にとって我々は入居者ではなく退去者です。同じようにするのであれば、次に入居する人に請求するべきなのでは?(まあ、もう空き家バンクに出さないでしょうけど)
そして今…
我々が清掃業者を呼ぶはずもなく、(そんなお金はないし、そもそもそんなお金がないから引越もできないと言っている)引越し当日、我々は知人に手伝ってもらいつつ引越しと清掃を済ませたのでした。 現在は、清掃後の確認をいつにするか、日程を調整しているところです。(なぜか清掃当日の確認は見送られました。おそらく時間が大家の想定より遅かったためでしょう。いうても17時くらいやけど)
おわりに
退去騒動の後編みたいになった当エントリですが、やはり私が感じることは前回エントリの時と同じです。
- 田舎の人間には、(その土地柄故)世間の常識を知らない者もいる
- こちらの発言には耳を貸さない(覚えない)人間もいる
- そのような人間を「空き家バンク」という制度に巻き込むなら、最低限のフォローは必要
- 賃貸契約の基本的な知識、借地借家法など
- そのフォローをする役目は自治体ではないか
「空き家バンク」という制度は、子育て世代を始めとする若い人たちを迎え入れるために必要な制度だと思います。だからこそ、その世代が子供を育てていけるように、貸主と借主の双方をバックアップできる仕組みづくりが、自治体には必要だと思います。(明日香村だけでなく、空き家バンクをやっている自治体すべて)
日本の地方創生はどうなるのでしょうか。(急に壮大な話になった)
大家に家(明日香村)を追い出されることになりました。〜空き家バンクの問題点〜
はじめに
更新頻度は低いですが、これまで私は明日香村という田舎に移住して、色々なことをブログとして掲載してきました。しかし、明日香村での生活は、非常に残念な形で突如終了することとなりました。
何があったのか
一言でいうと、大家から「賃貸契約を更新しない(要するに出て行け)」とのお達しが一方的に来たため、出ていかざるを得なくなりました。 引っ越ししてから、ちょうど2年目でした。
なぜこの記事を書くのか
昨今、田舎で幸せそうに生活していることを特集した雑誌やネット記事(このブログもか)が取りだたされていますが、うまく生活できているのは、ほんの一部の幸運に恵まれた方です。 普通の人がいきなり田舎に引っ越しても、そう上手くいかないこともある、という話も残しておきたい…と強く感じたため、久しぶりにブログを書くことになりました。
事の経緯
時系列でまとめると以下のような感じ
- 11月頃、「賃貸の更新をしません」という一方的な手紙がポストに投函されていた
- 内容があまりに一方的すぎたため、不動産会社に電話
- 不動産会社から「契約書的に問題ないから引っ越しの準備してください」と言われる
- 我々夫婦「それはおかしくねーか?」ということで、法律とかを調べてみると、貸主は借主を一方的に退去させることはできないことを知る
- 不動産会社と村役場に「引越にかかる全費用を大家が負担するなら引越します」と相談
- 不動産会社と村役場、大家と交渉するも、案の定揉める
- 我々夫婦も含めて、めちゃくちゃ揉める
- 何とか、大家が負担することで落ち着く(本当に支払ってもらうまで油断禁物状態)
投函された手紙について
投函された手紙の実物をアップします。
もし、みなさんの家(賃貸)に、ある日いきなりこれが投函されていたらどう思うでしょうか?
ほとんどの人が「へ?」となるのではないでしょうか?
「孫ができるから出ていってくれ」という内容も内容ですが、私が一番解せなかったのは、「なぜ直接対話する場を設けようとしなかったのか」というところです。
個人的な考えですが、普通、「〜という理由で契約更新を止めたいので、一度会って話をしたいor電話したい」って書きませんかね?契約に関する重要な事項なので、顔合わせて話をするのが人としての常識だと思います。
田舎には契約事を一方的な手紙一枚で済むと思い込んでる人もいるということです。
不動産会社との連絡
この手紙の内容が謎すぎるため、不動産会社に電話で相談してみました。
その返答が、「賃貸契約書には『貸主が借主に退去を求める場合は、2ヶ月前まで言うこと』って書いてるから、普通に応じてください」というものでした。
「え、大家の私的な都合で、いきなり引越しないといけないの??」と思った私と妻は、色々と調べてみました。
そこで知ったのが「借地借家法」です。
借地借家法
建物の賃貸借契約については,借地借家法の保護があり,契約上定められた期間が満了しても,それだけでは,借家人に立ち退いてもらうことはできません。まず,前提として,次の契約期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に,借家人に対して,契約を更新しない旨の通知をしなければなりませんし,さらに,契約を更新しないことについて,「正当事由」のあることが必要とされています。 この「正当事由」があるかないかの判断については,貸主の側の事情だけでなく,借主側の事情も当然考慮されることになり,その双方が建物の使用を必要とする事情のほか,建物の賃貸借に関する従前の経過,建物の利用状況及び建物の現況などが考慮されます。さらに,いわゆる立退料の提示があった場合には,そのことも考慮して判断されることになります。
検索すれば、解説がゴロゴロ出てきますが、要するに借地借家法とは以下のような感じです。
- 借主を強力に保護する法
- 借主に退去してもらうためには「借主の合意」が必要
- 強制退去してもらうためには、貸主側に「正当事由」が必要
- この「正当事由」が認められるハードルはめちゃくちゃ高い
今回の大家の退去させたい理由の「孫を近くに住まわせたい」なんて、まず正当事由として認めれません。(仮に裁判で争った場合、99.9%借主が勝つ)
つまり、あの意味不明な手紙に従って出ていく必要はないということです。法律上、無視して居座ってもよいわけです。
致命的に無知な田舎の不動産会社
上記(借地借家法)について、再度不動産会社と電話し、説明したところ「え、あー、それについて調べてみます」という回答でした。
セカンドオピニオンというわけじゃありませんが、近くの賃貸紹介会社(アパマンショップ的なやつ)に、この一連の件について話をしたところ「それで退去させるのは無理ですね。借地借家法というのがありまして〜」と、向こうから法律の説明をしてくれました。
この不動産会社の担当者(というか田舎すぎて、オジサン一人でやってる不動産会社なのですが)、宅建を所持しているはずなのに、なぜ借地借家法を知らないのか…。この人の言う通りにしてたら、危うく自費で無駄な引越をするところでした…。
役場を巻き込んでの交渉
そもそも私たちがここに住んでいるのは、明日香村の「空き家バンク」という制度によるものです。
ということで、役場の担当者と不動産会社(オジサン)に事の経緯を説明。
こちらの要求は「退去する条件は、大家による引越費用の全負担。それが認められない場合は退去しない」です。それをもって、役場と不動産オジサンに、大家と交渉してもらうよう依頼しました。
認識が合わなすぎる人たち
案の定、交渉は難航を極めました。人生の全てを明日香村という田舎で過ごしてきた大家さんには、法律の概念は通じないようです。
しかし、何とか話がまとまったのか「支払いに応じていただけました。後は具体的な金額を大家に伝えてください」という連絡が不動産オジサンから入りました。
というわけで、急いで引越先の物件を決め、初期費用の見積書を発行してもらい、大家に渡しました。すると…
「いやいや!私は運送代(引越業者に払う金のことだと思われる)しか払わへんよ!!」とキレはじめました。
おっと、これが認識の違いというやつですか。
こちらは役場と不動産オジサンに対して、確かに「引越にかかる全費用、つまり敷金礼金とか仲介手数料も全部」と伝えたはずです。早速、そのお二人に対して、大家と話が合わない事を連絡。
「いえ、確かに我々も『諸費用全て』を払っていただくことで合意を得たのですが…」
話を続けて聞くに、どうやら「その初期費用が、大家が創造してた相場を軽く超えていたため、びっくりして急遽支払いを拒否したのではないか」という説が。確かにありそうです。
人生の全てを明日香村という田舎で過ごしてきた大家さんには、賃貸物件への引越なんて経験したことがありません。引越に総額いくらかかるかなんて、全く想像できないのです。(だからあんな軽い手紙を簡単に投函できたといえる)
交渉終結?
というわけで、今度は私も含めて話合うことに。 結論からいえば、引越総費用全額の負担を渋々合意されたわけですが、何がひどいって話と関係のない嫌味や悪口が多い!
- 話し方が偉そう
- 旦那がいないからって強気で言ってくる(大家は未亡人)
- →私は旦那さんが生きてくれていた方が良かったと思っています(生前、立派ですごくしっかりされた方だと聞いていたため。話がスムーズに進みそう。)
- (なぜ手紙一枚で済ませようとしたのか?)「何回ピンポン鳴らしても出ないから!」
- →平日の昼間に来られても仕事やっちゅーの。っていうか電話してこいよ。(携帯電話番号はお互い知ってるし、話したこともある)
…まあ書くとキリが無いですが、色々ありつつ何とか話は終息しました。
本当に支払いが済むまでは油断できませんが。
今回の出来事から感じた、田舎(空き家バンク)の問題(と改善策)
感じたことを要約すると、以下のような感じです。
- 借主はともかく、貸主となる人は賃貸契約の知識が基本的に無いのだから、自治体がフォローするべき
- 賃貸契約の知識が無い状態でモメると、今回のようなことになる
- そもそも「空き家バンクに登録しませんか」と村民を勧誘しているのは自治体である
- 何らかの対策がなされない限り、今後もこのような揉め事は継続すると思われる
- このような揉め事が起こり続ける限り、我々のような子育て予備軍世代は永久に定住しない
- つまり、明日香村の人口増加は厳しくなると思われる
自治体がもっとしっかりしていれば防げた事態
個人的には大家のことは大っ嫌いですが、実は一方で同情もしています。なぜでしょう。それは今回の大家の問題行動を洗い出してみればわかります。
- 手紙一枚で退去させようとする。
- しかも退去させる理由がめちゃくちゃ弱い。
- 引越の費用も相場を知らないまま、支払いの約束をする(思ったより高額だったので、話を蒸し返しちゃう)
悪口とか嫌味を言ってくるのは除くと、上記にまとめることができると思います。
実はこれ、ある共通要素があります。大げさに書いちゃいましたが、何のことはありません。
貸主(大家)として最低限知っておくべき常識と知識が大家にあれば、上記の問題行動は防げたはずです。
借地借家法などの知識が少しでもあれば、安易な退去勧告はしないでしょう。引越する際には、決して安くないお金がかかることを知っていれば、退去させるために、ある程度の「立退料」が必要になってくることも分かるので、その時のために費用の準備にも取り掛かれるでしょう。
ただ、人生の全てを明日香村という田舎で過ごしてきた大家さんに、これらの知識を事前に身に着けとけよと言ったって、それは無理な話でしょう、というのが私の考えです。
物件の貸主にはある程度の知識が求められる…でもずっと田舎で生活してきた人に勉強しろといっても難しい…ではどうすればいいのか…せめて知識の面で、大家さんをフォローしてくれる人が必要だ…誰に…?
どう考えても自治体しかいませんよね。空き家バンクを運営しているんだから。
明日香村の空き家バンク
明日香村空き家等活用バンク制度について|明日香村人口誘導施策
上記は私の住んでいる明日香村の空き家バンク制度について説明してあるページです。大方、他の自治体も似たような内容だと思います。
私が問題だと思うのは以下の記述です。(「明日香村空き家・土地情報バンク制度(要綱)」より)
2 村長は、既存建物登録者及び利用登録者に対して、既存建物の利用に関する交渉、売買及び賃貸借等の契約については、直接これに関与しないものとする。 3 契約等に関する一切のトラブル等については、当事者間で解決するものとする。(交渉の申込み及び通知)
「契約等に関する一切のトラブル等については、当事者間で解決するものとする。」
…いやー、この潔すぎる他人事っぷりがまさに自治体っぽいですよねー
「上から目線」が非常に感じられる明日香村空き家バンクですが、そもそもこの空き家バンクは明日香村のために行われているはずなのです。
20年連続で人口が減少している明日香村、2017年度には消滅可能性都市に認定されています。ゆえに、人口増加は喫緊の課題なのです。
しかし、移住希望者は多いのに、景観を守るために制定された「明日香法」によって、移住者を受け入れられる物件が建てられない…。では、村内で空き家となっている物件を見つけて、移住者に充てよう…。そのための空き家バンク制度のはずなんです。
空き家バンクは、多数の移住希望者を受け入れるため、ひいては村の人口増加が目的の施策だと思っています。(というかそうじゃなかったら何なの?)
「目的」を見失っている空き家バンク制度
明日香村が、人口減少がどれだけ問題だと思っているか、というのは上記のページを見ても分かります。資料を見ても、空き家の整備や移住者の受け入れについて書かれています。
しかし、残念ながら、今の空き家バンクには「移住した人を定住させる」という目的が抜けていると言わざるを得ません。
上記の資料には定住に関することも書かれてはいるのですが、実際の空き家バンクは当事者任せです。当事者任せという事は、空き家に移住した人が定住するかどうか決めるのは「移住者と大家の相性」となってしまいます。つまり定住するかどうかは運次第ということになります。
このままでは、せっかく移住者が村に来ても、私のように大家とモメて村を出て行くケースは継続して発生します。底のないバケツのように、人口は一向に増えないでしょうね。
そこを移住者と大家の相性だけで終わらないようにフォローしていくのが自治体の役目だと私は思います。
現状、村は「人口を増やす→子育て世代に定住してもらう」という目的を、見失っていると思います。
課題を解決せず、何かと無かったにしたがる自治体
実は、私のこの一連の退去騒動の間、たまに自治体から以下のようなことを言われていました。
- 大家さんのことも理解してあげてください
- 配慮してください。一部譲ってください
「孫を近くに住まわせたいので退去して」と一方的に言ってきた大家の、一体何を理解しろというのでしょうか?
「孫を近くに住まわせたいので退去して」と一方的に言われた私に、一体何を配慮しろというのでしょうか?
とどのつまり、このような揉め事に関わりたくない気持ちで一杯の自治体は、どちらかが折れてくれればそれでいいので、このようなことを言ってくるのでしょう。
そんな下らないお願い事をしてくる暇があったら、こういう揉め事を防ぐための恒久対策の一つでも考えきていただきたい。
おわりに
今回起こった一連の出来事と、そこから思ったことを長々と書き連ねてみました。
ただ、私が最後に言っておきたいのは、明日香村自体は住む場所として素晴らしく良い村だということです。
自然がたくさんの環境はもちろんのこと、大家以外の近所の方はみんないい人でしたし、基本的に住んでて気持ちよかったです。大家だけ異常に生活に介入(プライバシー無視で家付近に侵入し、悪口とか嫌味を言ってくる)してきましたが。
まだ、この退去騒動は決着がついていないので、今後ブログを更新するとしたら、そのことを綴っていこうかと思っています。
(移住した田舎から追い出されることはあまりないと思うので…)
冒頭でも述べましたが、田舎に引っ越して新しい生活に移れている人は極一部で、その人達は、その人自信の能力もあるかもしれませんが、一番はただ運良く周りの人がいい人だった…ということに尽きると思います。
では、また…。
明日香村の小学校にはエアコンがないらしい→異常でしょ
題名について、最近知り、とても驚きました。
クソ暑い7月8月に、熱気がこもった教室の中で勉強しているのか…。
私がもっと驚いたのは、この状況について、あまり何も思っていない人が多かったことです。「別にエアコンなんていらなくない?」「俺らの時もなかったし」といった声が聞こえてきます。
私の頃も、小学校にエアコンはありませんでした。とにかくクソ暑くて、勉強なんてとても聞く気になれませんでした。
空調設備の無い中で授業を受けることが、どれだけ時間を無駄にしているか(暑くて聞いてられないので、授業を受けてる意味がない)身をもって知ってるからこそ、私は早急にエアコンを設置してあげてほしいと思います。
「何とかなったから」といって、自分が耐えた環境を下の世代に押し付けるようなことはしたくないですね。考える事を放棄したみたいで。
少し検索してみると、なんと都道府県によって設置率が全然違うことが判明。京都府が6割越えの中、奈良県は6.1%…。リンク先のグラフによれば、奈良県も結構気温が高い地域ということがわかります。(盆地だから)
今、明日香村は子育て世代を引き連れようと頑張っていますが、我が子をエアコンの無いところで勉強させたいでしょうか。「そんくらい我慢しろ!」とか悲しいことを吐く親もまだまだいますかねえ…。
明日香村に引っ越して1年が経過しました
大阪の難波から奈良県明日香村に引っ越したのが、2016年1月26日です。
つまり、明日香村に移住して1年が経ちました。
一言でいえば、思ってたほどトラブルもなく、平和に過ごせた移住1年目でした。
ここでは、もう少し各ジャンルに掘り下げて振り返ってみたいと思います。
仕事(通勤)
引越してきて、一番辛いのがこれ。(現在進行系)
大阪に住んでいたときは、ドア・トゥ・ドアで30分以内だった通勤時間が、明日香村に来てからは、平均2時間弱かかっております。1日4時間を通勤に費やしている、と考えると頭がショートしそうなので、あまり考えないようにしています。
明日香⇔大阪は、乗り換えがしんどい
明日香村から大阪(特にキタ方面)に行くときは、橿原神宮前から天王寺に行くのが一番現実的かと思います。
※橿原神宮前→大和八木→鶴橋は乗り換え回数も人も多いので地獄。
※飛鳥駅はアクセス悪いし、電車本数も少ないので通勤には不向き。
行きはいいんです。天王寺から地下鉄へは本数も多いので、比較的早く乗り換えができます。問題は帰りです。天王寺→橿原神宮前(吉野)は急行が1時間に2本しかないので、タイミングが合わないと20~30分待たされることになります。
しかも、編成車両が4両とかなので、キャパも少なく、長い待ち時間も相まって、田舎路線の割には結構な混み具合です。
なので、疲れてるときは特急で帰ることもあります。(切符代+510円)
近鉄さん、何とか本数増やしてくれませんかね…。
景色は良い
天王寺橿原間は急行でだいたい40分かかりますが、車窓から見える景色は結構好きです。1年経って多少覚えましたが、都会から山の中へと移り変わる景色は、まじまじと見ても、今でも結構面白いです。
住環境(家)
明日香村の良さは何と言ってもその自然。通勤はしんどいですが、その分住環境はとても良いです。とても静かで、家も隣り合っていないので、隣人を気にする必要はありません。買い物等、多少面倒なことはありますが、快適に過ごせた1年だったと思います。
- 排水がよく詰まる(しばらく使っていなかったから詰まりやすくなっている?)
- 虫とのエンカウント率の高さ(真夏は真・女神転生くらいエンカウントします)
- 冬の寒さが厳しすぎる。(雪はほとんど降らないのに、気温が低い)
- その割には夏もそれなりに暑い。
家自体に関しては、ちょこちょこトラブルがあった、という印象です。
「明日香村に住んでいる」と言うと、大体の人が古民家を連想されますが、私の住んでいる家は築10数年の普通の家です。村の空き家にしては、かなり新しい部類でしょう。
とはいえ、長らく人が住んでいなかったので、どうしても不具合やトラブルは発生します。給湯器が壊れて、真冬にお湯が出なくなったり…(死活問題)
買い物
これはどうしても不便ですね。明日香村で、観光向きではない店舗といったらセブン-イレブン(1店)くらいしかないと思います。
そのため、買い物はどうしても隣の橿原市を頼ることになります。橿原市は奈良県内では結構発展している方で、お店も多いです。車で10~20分程度なので、あまり田舎だからといって買い物がめちゃくちゃ大変というレベルではありません。
ただ、橿原市の道路事情は最悪で、基本渋滞しています。交通量に対して道路が狭すぎるんですね。なので、できるだけ早い時間に行くようにしてはいます。(それでも混む)
ちなみに、Amazonやヨドバシなどのネット通販ですが、私の家はちゃんと配達されます。
ご近所(イベント参加など)
田舎に住むにあたって避けては通れないイベントですね。とはいえ、1年過ごした感想としては「思ったより(お付き合い)無かったな」です。
参加したイベントとしては、「光の回廊」「元旦のどんど焼き」くらいで、頻繁に参加したわけではありませんでした。実際はもっとたくさん行事があったと思うのですが、遠距離通勤してる身としては、あまり参加できないんですよね。
ただ、参加しなかったからといって仲間外れになるようなことはないです。明日香村の方々はどちらかというとドライな方で、あまり参加したしないとか気にしてない(覚えてない)みたいです。
2017年は…
とにかく今一番どうにかしたいのは、通勤時間の長さ。なので、今年はどこかで会社に対してリモートワークの希望を出してみようと思っています。
今の会社にれっきとしたリモートワークの制度があるわけではないですが、お断りって空気でもないので、とりあえず言ってみようかと。日4時間の時間を取り戻すのだ…。
家でもいいのですが、明日香村にコワーキングスペースができたらいいですね。おしゃれなやつ。
明日香村関係のWEBサイトをまとめてみた
明日香村は、もう朝に関しては、涼しいどころか寒くなってきました。
明日香村は観光地なので、インターネット上での情報発信に力を入れているみたいです。
試しに、どんなサイトがあるか調べてみました。
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